2007年10月7日日曜日

驚異の産業技術 ①サンドバッグの作り方

 私の職場の会議室には、なぜかサンドバッグがあります。その理由は…聞かないでください。
 先日のことですが、ふとしたことからサンドバッグの口が開いて、中身がはみ出してしまったことがありました。
 サンドバッグの中身って、何が入っているかご存じですか? 「サンドバッグ」というぐらいだから、砂が入っているものとばかり思っていました が、実のところ中に入っていたのは布切れ――トレーニングウェア等に使われている伸縮性の――でした。
 で、そのはみ出してしまった布切れをサンドバッグの中に戻そうとしたのですが、これが何とも入らない。力まかせにねじ込んでみても、伸縮性のある布切れに、やんわりと押し戻されて詰め込むことができないのです。
 あまりのことに困り果てて、サンドバッグの口のファスナーを全開して中をのぞいてみると、いったいどうやって詰め込んだものか、これ以上はないというぐらい、ぎゅうぎゅうに布切れが詰まっています。

 サンドバッグの重量自体は40~50㎏もあるでしょうか。軽い布切れをこの重量になるまで詰め込むということは、相当な量の布切れがサンドバッグの中に圧縮されて入っているものと思われます。
 はて?サンドバッグって、誰がどのようにして作っているだろう。ふと疑問を覚えた私は、持ち前の好奇心から早速調査を開始しました。

 調査には意外に手間がかかりました。一般には知られていないことですが、格闘技という精神性の高いスポーツと密接な関係を持つ、この業界は東洋的な神秘主義、秘密主義に彩られた閉鎖的な世界です。私は伝手を頼って、アルバイトを装い業界内に潜入することにしました。
 潜入先は、わが国が世界に誇るサンドバッグの一流メーカーQ社、とだけ申し上げておきましょう。もし企業秘密を洩らしたことがQ社側に察知されると、私の身が危険にさらされるかもしれないので、これ以上のことは口外できません。
 そして、1ヶ月にわたる潜入調査の結果、想像を超えた意外な真実がわかったのです。(以下、次回に続く)
 
  

0 件のコメント: